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京都フランス歌曲協会レクチャーコンサート

1920年代巴里音楽万華鏡

〜スナール室内楽シリーズを中心に〜

日時:2021年10月16日(土)17時30時開演 (17時開場)

会場:京都市北文化会館 創造活動室

入場料:一般2,500円、前売り2,000円 インターネット割安チケット一般2,000円、学生1,000円

緊急事態宣は解除されましたが、念のため客席は密をさけるため80席までといたします。インターネットチケット希望の方は若干の残券がありますので、下の申し込み欄に必要事項を記入し送信してください。前日15日の午前中で締め切らせていただきます。

今回のレクチャーコンサートはスナール室内楽シリーズを中心にという内容で行います。まずは「スナール室内楽シリーズ」について解説担当の近藤秀樹さんが説明いたします。

モーリス・スナール (あるいはセナール) はフラ ンスの楽譜出版社。1920年代に「室内楽シリー ズ」というユニークな楽譜をシリーズで出していま した。これはいわば楽譜版ディ〇ゴスティーニで、 予約すると年二回、室内楽の楽譜がセットで届い て、解説の冊子がついている、というもの。ここ での「室内楽」には、ピアノ独奏曲や連弾曲、ピア ノ伴奏の歌曲も含まれます。そのラインナップは、 「埋もれていた過去の名作」(のリサイクル) +「現 役作曲家の新作」。後者に関しては、大御所格か ら無名の新人までさまざまな作曲家 (フランス人に 限らない) を起用。その中に、若き日のオネゲルや クラースがいました。特にオネゲルは「室内楽シリー ズ」のおかげを蒙っています。ケクランは自信作の 《ヴァイオリン・ソナタ》をデュラン社に持ち込ん だところ、「わけわからん曲」「売れそうにない」 と出版を断られてしまいましたが、 これもスナー ルが「室内楽シリーズ」の一冊として出してくれま した。さらには、ジャン・フランセ10歳 (!) のと きのピアノ曲とか、《シェヘラザード》の詩人、ト リスタン・クリングソルが作曲した室内楽曲 (!)も、このシリーズには含まれています。それだけ多 くの作曲家たちに門戸を開いていたということで しょう。のちにスナールはサラベール社に売却され、 「室内楽シリーズ」に入っていた楽譜の多くは今は サラベールから出ていますが、再刊されずに埋もれ てしまったものも少なくありません。さいわい、 和歌山県立図書館の南葵音楽文庫には、この「室 内楽シリーズ」が収められており、サラベールから再刊されなかった音楽も含めて、シリーズの全体像 をうかがうことができます。
今年2021年はこの 室内楽シリーズの刊行百周年にあたります。

というわけでレクチャーコンサートでは100周年を迎える「スナール室内楽シリーズ」の中から1920年代のパリで万華鏡のように花開いた音楽の数々を解説を交えて演奏をいたします。



21.9.22

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