カタルーニャの魅惑 Charmes catalans 〜アルベニス、セヴラック、モンポウ〜 Albeniz, Séverac. Monpou
於:アンスティチュ・フランセー関西/京都 稲畑ホール 日時:2013年11月2日(土)17時開演 チケット代:¥2,500 前売り¥2,000 学生、クラブ・フランス会員¥1,500チケットの購入は下記の購入欄でお申し込みください。インターネットお申し込み割安価格(一般¥1,500、学生¥1,000)でお求めいただけます。
今年の日仏レクチャーコンサートは、「カタルーニャの魅惑」と題して、アルベニス、セヴラック、モンポウの三人の作品をお届けします。
アルベニスとモンポウはカタルーニャ出身。一方、セヴラックは南仏ラングドックの出身で、カタルーニャ地方とも縁の深い作曲家です。この三人は、ガウディの建築を生んだカタルーニャの魅惑を、どんな音にして奏でたでしょうか。セヴラックといえば、かつては「南仏の郷土作曲家」とされ、もっぱら一握りのピアノ曲によって知られる存在でしたが、近年、その歌曲が注目されてきています。今回は、その歌曲の中から、ボードレール詩による《ふくろう》、ポーのマラルメ訳に附曲した《夢》など、狭い意味での郷土色に限定されない、さまざまな傾向の作品をお届けします。
セヴラックはパリのスコラ・カントルムで学びましたが、そこでピアノ演奏を講じていたのがスペインの音楽家アルベニス。アルベニスといえば何と言ってもピアノ曲集《イベリア》が有名ですが、今回は最晩年の《四つの歌曲》と、パリから遠い故郷をのぞんで書いたピアノ曲《スペイン、思い出》の〈前奏曲〉――故郷の思い出を呼び覚ます呪文のような音楽――をお聴きいただきます。
「呪文」というタイトルで本当に曲を書いてしまったのが、モンポウ。「スペインのサティ」「ピアノの詩人」と称されるモンポウですが、その代表作の一つが、ピアノ曲集《魅惑》(呪文 Charmes)なのです。奇しくも、時を同じくして、詩人のヴァレリーが詩集『魅惑』Charmesを発表。偶然を越えた符合を感じて、やがてモンポウは、『魅惑』から五篇を採って歌曲集を編むことになりますが、実はそれに先立ち、この詩集に含まれる詩の朗読を前奏するピアノ曲を書いています。そしてこれが、のちにピアノ曲集《沈黙の音楽》――極度に音を切り詰めた内密な音楽――に組み込まれることになるのです。そこで、レクチャーコンサートの後半は、ヴァレリーとモンポウの往還を軸に、詩の朗読も交えつつ、《魅惑》から《沈黙の音楽》への歩みを辿ります。(記:近藤秀樹)
プログラム
曲種 |
作曲家 |
曲名 |
出演者 |
|
1 |
ピアノ曲 |
モンポウ |
歌と踊り |
仙波治代 (Pf) |
2 |
歌曲 |
セヴラック |
仔馬の歌、梟、夢 | 磯島朋子 (Sop) 青谷理子 (Pf) |
3 |
歌曲 |
アルベニス |
4つの歌 |
椿本実加 (Ms) 青谷理子 (Pf) |
4 |
ピアノ |
アルベニス |
『スペイン・思い出』 より 前奏曲 |
阪倉礼子 (Pf) |
5 |
ピアノ |
モンポウ |
魅惑 |
奥戸雅子 (Pf) |
6 |
歌曲 |
モンポウ |
ヴァレリーの詩による 五つの歌 |
林 裕美子 (Sop) 谷口敦子 (Pf) |
7 |
朗読 |
ヴァレリー |
『魅惑』より “歩み” |
Pierre Devaux (Pf) |
8 |
ピアノ |
モンポウ |
沈黙の音楽 |
仙波治代 (Pf) |
解説・訳詩=近藤秀樹 |