書籍・出版物

このコーナーでは当協会の会員が執筆あるいは翻訳した書籍や出版物を紹介します。現在も市販されているものやもう出版停止になり再販が難しいものもあります。販売可能なものは値段と購入方法を載せていますのでご利用くださいませ。

書籍・出版物一覧 (2002~2009)

 

2022年書籍出版のお知らせ

 

この度会員の田崎直美 (音楽学) さんが『抵抗と適応のポリトナリテ:ナチス占領下のフランス音楽』をアルテスパブリッシング〈叢書ビブリオムジカ〉より出版されましたので紹介いたします。

本の内容について

 第二次世界大戦期 (1940~44年)、ナチス・ドイツに占領されたフランス。そこでは奇妙なことに、戦前以上に多彩な音楽活動が展開していました。その裏にあったのは、「音楽」に政治的役割を強く期待した当時のフランス政府 (ヴィシー政権) の政策と、厳しい状況の中でしたたかに生き抜く音楽家たちの葛藤です。本書は、戦後多くの音楽家の心に傷跡を残した占領期フランスの音楽史を、当時の文化政策と各音楽家のケーススタディの両面から明らかにしています。

近年の欧米における研究と著者独自の研究にもとづき、当時のフランスにおける音楽活動の諸相を体系的・網羅的に整理した点が、本書の特徴です。この分野について日本語で書かれた初めての学術書でもあります。

 プーランクの歌曲・合唱曲、メシアンの《世の終わりのための四重奏》、オネゲルの《火刑台上のジャンヌ・ダルク》など、今日有名な作品も登場します。音楽をめぐる当時の人びとの様々な思いと、複雑で切実な政治状況との絡み合いを知ることができるでしょう。

興味のある方は是非手にとってお読み下さい。

出版社HP(購入先) 定価:本体2800円(税別)

https://artespublishing.com/shop/books/86559-248-1/